2019年07月15日

根津美術館「はじめての古美術鑑賞」

〈2019年美術展感想29展目〉
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はじめての古美術鑑賞−絵画のテーマ−
会場:根津美術館
会期:2019.05.25-2019.07.07
観覧料:1,100円

日本古美術への導入を企図して開催される根津美術館の美術展です。
第4回目となる今回は日本絵画のテーマが主題となっています。
展示数は40点にも満たない小規模な展示ですが見応えは十分。
仏画から物語絵,そして自然へと移り変わる題材が非常に楽しいです。
特に物語絵や中国の神仙,禅林を描いた作品は馴染み深い人物も多数登場します。
源氏物語や伊勢物語,平家物語が題材の作品はもう大好物。
特に伊勢物語はたまらないですねえ。
禅林や神仙を描いた作品は水墨画が中心となります。
〈西王母図〉や〈白衣観音図〉あたりの美しさは格別。
中国の故事人物画も馴染みの深い題材が多くて楽しい。
谷文晁の〈赤壁図屏風〉はその壮大さが素晴らしい。
此処で三国志における赤壁の戦いが行われたかと思うと素敵です。
また,杜甫を描いた〈杜子美図〉も良かった。
盛唐の歌人を描いた作品には心惹かれます。
自然を描いた作品は博物画好きにはたまらないものばかり。
椿椿山の〈四愛図〉は中国の文人四人が愛した花を描いたもの。
こういった知識を得られると絵画に対する見方もまた変わってきますね。
牧谿の作品と伝えられる〈猿猴図〉や〈蘆蟹図〉の解釈も面白い。
このあたりは知っていないと絶対に分からない領域ですね。
裏設定というか当時の人には当然だった事情というのも知りたいものです。
それ程大規模な展示ではありませんが,満足度は頗る高いです。
いつも通りに根津美術館の展示と言った感じ。
次回がいつになるのか分かりませんが,また開催をして欲しいものです。
まだまだ自分の美術に対する造詣の浅さを痛感してしまいます。
知ることが多く残っているというのは楽しいものです。
タグ:根津美術館
posted by 森山樹 at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2019年07月12日

静岡県立美術館「対立と融和」

〈2019年美術展感想28展目〉
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対立と融和
会場:静岡県立美術館
会期:2019.06.11-2019.07.15
観覧料:300円

静岡県立美術館で開催の19世紀江戸画壇を扱った美術展です。
収蔵品展ということなので規模はそんなに大きくありません。
狩野派や江戸琳派,浮世絵といった当時の美術情勢が俯瞰出来るのは楽しい。
谷文晁や司馬江漢らの作品の展示もありました。
特に谷文晁一派は或る意味で今回の収蔵品展の中核を担っています。
日本美術にはそれ程明るくないのですが,それでも楽しかった。
山水画はやはり心惹かれるものがあるのですよね。
東方朔や六歌仙等を描いた作品もやはり楽しい。
静岡らしいというべきか,富士山を描いた作品も幾つか展示されていました。
この富士山を描いた作品の様式の多様化が示されるのも見所のひとつと言えましょう。
こういう見方も出来るのだなあと改めて認識しました。
収蔵品展或いは常設展は今後は力を入れて鑑賞していきたいですね。
そう考えていた矢先の展示だったので楽しめました。
美術館の収蔵方針を確認する上でも今後は着目していきたいものです。
posted by 森山樹 at 06:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2019年07月09日

池上英洋『残酷美術史』



時として描かれる残酷な西洋絵画の主題が語られる美術書籍です。
あまり馴染みのない西洋美術の源流に触れられるという意味では悪くありません。
とは言え,割合に基本的な内容に終始しているのも事実。
西洋美術に触れ始めた人向けということも言えるでしょうか。
特にキリスト教における聖人等は殆ど馴染みがないでしょうからね。
逆に或る程度の知識がある人にとっては割と表層的な内容に止まっているかもしれません。
それでも内容は多岐に渡っており,新たな知識を得ることは十分に可能でありましょう。
読み物としても十分に楽しいのが嬉しいです。
個人的には神話や聖書を材に取った部分よりもそれ以外の部分の方が面白かった。
戦争であり疫病であり魔女狩りであるといった西洋史の負の側面が描かれます。
何故,それらが主題として選ばれたのかという理由が興味深いです。
また,疫病や医療行為を描いた作品が後の医学の発展に繋がったというのも面白い。
写真が登場するまでは視覚的な記憶を残す唯一の手段ですからね。
美術が実学に繋がってるというのが嬉しいです。
やや気になったのは農耕神と時の神クロノスを混同しているきらいがあること。
まあ,仕方がない部分ではあるのですけれども。
このシリーズは他にも何冊か出ているようです。
そのうちに少しずつ読んでいきたいと思います。
posted by 森山樹 at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍

2019年07月02日

2019年6月美術鑑賞記録

2019年6月に鑑賞した美術展は以下の通り。
松坂屋美術館「長くつ下のピッピの世界展」
三重県立美術館「増山雪斎展」
静岡県立美術館「対立と融和」

6月に鑑賞した美術展は3展。
東京や関西への遠征がないと一気に美術趣味が滞ります。
名古屋ボストン美術館が閉館してしまったのも大きいですね。
もう少し情報収集に努めて,好みの美術展を探したいものです。
「長くつ下のピッピの世界展」は児童文学好きとしては楽しかった。
純粋な美術展とは言い難いものがありますが大満足。
アストリッド・リンドグレーンの優しい世界は大好きです。
「増山雪斎展」は博物画を中心とした美術展。
他にも山水画等の中国の影響を受けた作品も多かったです。
博物画も山水画も好きなので,満足度は高かったかな。
「対立と融和」は静岡県立美術館の収蔵品展。
展示はそれ程多くありませんでした。
「古代アンデス文明展」のついでに行ったので,こんなものかなという感じです。
収蔵品は結構面白そうだったので常設展示に力を入れてもいい気がしますね。
posted by 森山樹 at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術鑑賞記録

2019年07月01日

2019年7月美術展鑑賞予定

【関東】
キスリング展@東京都庭園美術館(04.20-07.07)
はじめての古美術鑑賞@根津美術館(05.25-07.07)
水木しげる 魂の漫画展@そごう美術館(06.08-07.07)
速水御舟@山種美術館(06.08-08.04)
書物に見る海外交流の歴史@静嘉堂文庫美術館(06.22-08.04)
遊びの流儀 遊楽図の系譜@サントリー美術館(06.26-08.18)
唐三彩 シルクロードの秘宝@出光美術館(06.22-08.25)
浮世絵ガールズ・コレクション@國學院大學博物館(06.29-08.25)
日本の素朴絵@三井記念美術館(07.06-09.01)
原三渓の美術@横浜美術館(07.13-09.01)
松方コレクション展@国立西洋美術館(06.11-09.23)
アンティーク着物万華鏡@弥生美術館(07.05-09.29)
妖怪/ヒト ファンタジーからリアルへ@川崎市市民ミュージアム(07.06-09.23)
みんなのミュシャ@Bunkamuraザ・ミュージアム(07.13-09.29)
みんなのレオ・レオーニ@損保ジャパン日本興亜美術館(07.13-09.29)

【中部・東海】
東京藝術大学《スーパークローン文化財》展@福井県立美術館(07.12-08.25)
浮世絵展@田原市博物館(07.20-09.08)
ちひろ・アンデルセンの世界@安曇野ちひろ美術館(07.20-09.30)

【近畿】
ヨーロッパ絵画展@美術館「えき」KYOTO(07.04-07.28)
フランス近代名画展@山王美術館(03.01-07.31)
わくわくびじゅつギャラリー いのりの世界のどうぶつえん@奈良国立博物館(07.13-09.08)

今月は美術鑑賞遠征予定は一応なし。
上旬に関東に行く際に少し時間があれば,くらいでしょうか。
サントリー美術館,根津美術館,三井記念美術館くらい回れたらなあ。
割と時間との勝負ということになりそうです。
東海と近畿は目ぼしい美術展に欠ける印象。
まあ,関東遠征時に鑑賞した美術展が巡回しているというのもあります。
福井に行くので福井県立美術館は行くかなあ。
田原市美術館の「浮世絵展」は怖い絵が主題なので是非とも行きたい。
8月末くらいに行くことを計画しています。
休みが取れたら美術館「えき」kYOTOの「ヨーロッパ絵画展」も鑑賞したいです。
なかなか計画を立案するのが難しいのですけれども。
posted by 森山樹 at 07:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展鑑賞予定