2015年05月31日

東京都美術館「新印象派 光と色のドラマ」

〈2015年美術展感想4展目〉
新印象派展.JPG
新印象派 光と色のドラマ
会場:東京都美術館
会期:2015.01.24-03.29
観覧料:¥1,600
図録:未購入

 東京都美術館で開催の「新印象派 光と色のドラマ」を鑑賞してきました。新印象派とはスーラによって始められた印象派の発展形。科学性を重視し,印象派による光の捉え方をより理論化したところに特徴があります。特に点描法を用いられた作品が多い,というよりも殆どが点描法を用いられているといってもいいでしょう。印象派を継承しながらも独自の手法で光と色の効果を追求した美術主義と言えます。此処まで新印象派に特化した美術展を鑑賞するのは自分は初めてかもしれません。新たな世界を感じました。

 今回の美術展は新印象派の誕生から20世紀初頭までの流れを約100点の展示から追うというもの。新印象派から大きな影響を受けたフォーヴィスムの誕生までを見つめることになります。モネやスーラ,シニャック,ピサロやモリゾといった代表的な新印象派作家の作品を一度に鑑賞出来るのが嬉しい。フォーヴィスムの代表格であるマティスも新印象派との関連からアンドレ・ドランとともに作品が展示されていました。取り立てて強烈な印象を受ける作品というのは多くないのですが,点描という普段はあまり目にしない手法は興味深く感じました。何というか,何の変哲もない点が集合することで一枚の絵画となるというのが素敵です。そして何よりもその点の集合に隠された科学的理論に作者の意図が秘められているというのが新鮮でありました。此処まで計算し尽くされて作品が描かれているとは思いもよりませんでしたから。作品そのものよりも新印象が目指した光と色を如何に効果的に用いるかという理論の方に心惹かれた気がします。敢えて好きな作品を挙げるならば,マクシミリアン・リュスの≪ルーヴルとカルーゼル橋,夜の効果≫でしょうか。夜の川に散りばめられた光の効果が幻想的であります。

 それ程期待をしていたわけではないのですが,意外と存分に楽しむことが出来ました。印象派の美術展は数多いのですが,新印象派単独の美術展という目新しさも良かったです。作品そのものは印象派の方が恐らくは自分の趣味にはあっているのですが,新印象派の理論は非常に魅力的。もう少し勉強していきたい。次に新印象派の美術展を鑑賞する際にはまた違った角度から作品を楽しむことが出来ればなあと思います。その意味では新たな興味を開拓した得難い美術展であったと言えるのかもしれません。
posted by 森山樹 at 18:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2015年05月11日

ブリヂストン美術館「ベスト・オブ・ザ・ベスト」

〈2015年美術展感想3展目〉
ベスト・オブ・ザ・ベスト.JPG
ベスト・オブ・ザ・ベスト
会場:ブリヂストン美術館
会期:2015.01.31-05.17
観覧料:¥800
図録:未購入

 今回の美術展を最後に数年に渡り休館するブリヂストン美術館。その休館前最後の美術展はブリヂストン美術館の収蔵品の中から選りすぐりの約160点が展示される「ベスト・オブ・ザ・ベスト」です。ブリヂストン美術館は三菱一号館美術館と並んで東京駅から程近い美術館として重宝していただけに暫しの休館は寂しいものがあります。但し,あくまでも新築に伴う休館ということで再開が約束されているのも事実。新たな姿で開館する日を楽しみに待ちたいと思います。

 「ベスト・オブ・ザ・ベスト」はブリヂストン美術館の集大成ともいうべき美術展です。これまでに何度も足を運んだ美術館だけに殆どの展示は既に鑑賞したことがある作品ばかり。とは言え,印象派以降の西洋近代美術の充実では国内屈指の美術館だけに全く飽きさせません。一部の展示は会期中に入れ替えられるようですが,鑑賞したい作品は概ね堪能出来たのは僥倖というべきでしょう。個人的にはブリヂストン美術館と言えば,パブロ・ピカソの≪腕を組んですわるサルタンバンク≫の印象が強いのですが,勿論今回も心行くまで堪能しました。また,古代エジプトの≪セクメト神像≫も大好きな展示のひとつ。獅子の頭部を持つ美しい女神の姿がたまりません。マネやモネ,カイユボット,シスレー,ルノワールといった印象派の作品群も素敵です。マリー・ローランサンの≪二人の少女≫も印象深いですね。

 休館前最後の美術展ということもあり,感慨深い美術展でありました。再開は現段階では発表されていませんが,少なくとも数年は休館するとのこと。西洋美術を愛する者にとっては得難い美術館だけに早期の開館を期待したいものであります。「ベスト・オブ・ザ・ベスト」自体はどれも一度は見たことがある作品ばかりだったので目新しさはありませんでしたが,ブリヂストン美術館の理念を高らかに提示した見応えのある美術展でありました。会期初期に行ったこともあり,会場が割合に空いていたので,ゆっくりと鑑賞出来たのも嬉しかったです。
posted by 森山樹 at 06:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展感想

2015年05月02日

2015年5月美術展鑑賞予定

【関東】
インドの仏 仏教美術の源流@東京国立博物館(03.17-05.17)
ダブル・インパクト 明治ニッポンの美@東京藝術大学大学美術館(04.04-05.17)
広重と清親@太田記念美術館(04.01-05.28)
グエルチーノ展@国立西洋美術館(03.03-05.31)
東洋の美@出光美術館(04.11-06.14)
ルドゥーテ「美花選」展@日比谷図書文化館(04.18-06.19)
黄金郷を彷徨う@インターメディアテク(01.24-06.21)
松園と華麗なる女性画家たち@山種美術館(04.18-06.21)
ボッティチェリとルネッサンス@Bunkamura(03.21-06.28)
日本の妖美 橘小夢展@弥生美術館(04.03-06.28)
大英博物館展@東京都美術館(04.18-06.28)
ユトリロとヴァラドン@東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(04.18-06.28)
マグリット展@国立新美術館(03.25-06.29)
フランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵 マスク展@東京都庭園美術館(04.25-06.30)
ヴァチカン教皇庁図書館展II@印刷博物館(04.25-07.12)
大地図展@東洋文庫ミュージアム(04.22-未定)
【中部・東海】
空飛ぶ美術館@三重県立美術館(03.07-05.06)
トーベ・ヤンソン ムーミン展@松坂屋美術館(04.25-05.17)
大原美術館 名画への旅@静岡市美術館(04.18-05.31)
信仰のみち 狐にまつわる神々@長野市立博物館(04.25-05.31)
いつだって猫展@名古屋市博物館(04.25-06.07)
真昼の夢,夜の寝覚め−昼夜逆転の想像力−@三重県立美術館(05.16-06.28)
【近畿】
魔女の秘密展@大阪文化館・天保山(03.07-05.10)
聖護院門跡の名宝@京都文化博物館(03.21-05.10)
フランス絵画の贈り物 とっておいた名画@泉屋博古館(03.21-05.17)
桃山時代の狩野派 永徳の後継者たち@京都国立博物館(04.07-05.17)
ギリシア考古学の父 シュリーマン@天理大学附属天理参考館(04.15-06.08)
肉筆浮世絵 美の競艶@大阪市立美術館(04.14-06.21)
古代出雲とヤマト王権@大阪府立近つ飛鳥博物館(04.25-06.28)
伊藤若冲と琳派の世界@承天閣美術館(04.04-09.28)

相変わらず,東京の美術展の充実ぶりが羨ましい。
会期終了が迫っているものも幾つかあるので遠征したいところ。
仕事の見通しが立っていないのが辛いところです。
連休明けに或る程度の方向性が示される筈なのでそれからかな。
とりあえず東海地方の美術展は幾つか行く予定にしています。
関西遠征も可能なら試みたいのだけど,そこまで余裕があるかどうか。
長野の「信仰のみち 狐にまつわる神々」も魅力的なのですよね。
時間との折り合いをつけて,少しでも多くの美術鑑賞をしたいものです。
趣味に費やす時間が限られてしまうのが悲しいなあ。
この状態を何とか打破したいと思っています。
posted by 森山樹 at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術展鑑賞予定

2015年05月01日

2015年4月美術展鑑賞記録

2015年4月に鑑賞した美術展はなし。
仕事が多忙を極めた所為で殆ど趣味活動をすることが出来ませんでした。
近場で目ぼしい美術展がなかったのも大きいです。
東京の美術展の充実が羨ましくてなりません。
巡回をしない美術展が多いので近いうちに遠征を計画したいと思います。
問題は仕事の多忙が緩和されるかどうかというところ。
幾許かの余暇は確保したいものです。
posted by 森山樹 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術鑑賞記録